意匠権を取得すると何が良いの?
意匠権を得る必要性
意匠権を得るためには、意匠登録出願を行わなければなりません。しかし、意匠登録出願には費用や時間がかかります。また、出願した意匠登録出願がすべて登録されて意匠権が付与されるわけではなく、「拒絶」されることもあります(意匠登録出願の拒絶理由については後述します)。
では、なぜそこまでして意匠権を得る必要があるのでしょうか?
それは「自分の商品のコピー品が安く売られている!」ということが起こらないようするためです。
通常、商品のデザインの創出には多くの時間とコストが費やされると思います。あるいは、偶然に奇抜な発想に基づくデザインを思いつくことがあるかもしれません。しかし、このような商品をそのまま販売してしまいますと、何の苦労もなく全く同じ形の商品が真似されてしまうかもしれません。新しい形状を考えるよりも、目の前にある商品と同じ形状のものを作ることの方が、多くの場合極めて容易であるためです。その結果は前述したとおりです。
意匠権はこのような「ものまね」を法的に排除することができます。あるいは、他人に自分の意匠権に基づいて実施権(意匠権を持っている者から「使ってもいいですよ」という許可をもらって実施する権利)を設定すれば、自分は物を作らなくても実施料を得ることもできるのです。
意匠権を得るメリット
もう一つ意匠権を得るメリット(メリットというよりも活用方法)があります。それは、特許で権利を得ることができない場合に、その商品の形態だけでも権利を取得したい場合です。
特許権は意匠権とは保護対象が異なるものです。特許権は物の形態ではなく、具現化された思想(いわゆる発明)を保護するものです。このため、新しいものを発明した場合には、特許権を得ることが望まれます。
しかし、特許権を得るためにその発明が高度であることが要求されます。したがって、その商品に込められたアイデアそのものは高度ではない場合であっても、意匠権によって、デザインとしての権利を得ることができるのです。
なお、特許権と意匠権との違いは、別の項でもう少し詳しく説明します。