2.ヨーロッパへの意匠登録出願

「外国への意匠登録出願」では、意匠登録出願には世界的なルールはないと述べましたが、唯一欧州のみについて、欧州共同体意匠制度が存在します。欧州共同体意匠制度とは、 一つの出願で、欧州共同体に加盟する(EU加盟国)28カ国に対しては一括して出願を行うことができます。

なお、欧州共同体意匠制度においては、同一のロカルノ分類に属する意匠であれば、複数の意匠を一出願で出願することもできます。

<加盟国一覧>

アイルランド、イギリス、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、クロアチア、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ドイツ、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル、ルクセンブルグ、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロベニア、スロバキア、エストニア、 ラトビア、リトアニア、キプロス、マルタ、ルーマニア、ブルガリア
(2015年4月現在)

欧州共同体意匠制度には、大きく分けて2つの制度が
あります。

A.無登録共同体意匠制度

意匠が利用可能な状態となってから3年間は出願手続きを行うことなく、デッドコピーから保護されます。(日本においては、不正競争防止法2条1項3号に該当する制度)

B.登録共同体意匠制度

出願により審査が行われます。但し、審査内容は、方式的な審査と、公序良俗に反しないか否かなどの一定の要件のみ審査されます。要件を満たせば登録がなされます。存続期間は、出願から最大25年間です。また、日本と同様に、物品の部分についても意匠を受けることができます。ただし、修理用部品のようなMust Much意匠については、登録は認められるものの修理目的での修理部品の使用には及びません。その他、装飾やロゴも保護されます。
なお、1出願で欧州共同体全体をカバーすることができる反面、意匠が無効とされると、欧州共同体全域で無効の効果が生じます。